学校への不審者侵入を防ぐには
-東京・立川市小学校の事件から-
「また」学校に子供たちの安全を脅かす存在が侵入した。
いや、学校がその侵入を許した、と言う言い方でいい。
2001年6月8日の、大阪教育大学附属池田小学校事件から、私たちは何を学び、学んできたのか。
25年経つ今もなお、同じような事件が発生し、手をこまねいている。
東京・立川の事件では、学校における保護者や子供達の人間関係など、さまざまな要因が絡み合っているようだが、それと学校への不審者侵入を同じベクトルで考えてはいけない。
その考え方(原因論)が、日本の学校安全の進化を阻んできた。
親同士が喧嘩しようと、子供同士が喧嘩しようと、そのことによって他の子供たちの安全が脅かされてはならない。
では、どうすればこのような学校の不安全を防ぐことができるのか。
それは一つしかない。
「学校は子供たちのものである」というスローガンを皆で共有し、それを実行することだ。
学校は大人のものではない、教師のものでもない、親のものでもないのだ。
学校は子供たちのものである限り、子供たちにとってよりよい、安心して通える場でなければならない。
そのためには、他者が立ち入ることができない場にすることが必要だ。
「開かれた学校」という死語にこだわっているから子供を危険に晒している。
具体的に、端的にいうと、学校稼業中は学校に他者は入れないシステムを強固にすることが重要だ。
「他者」とは、子供と教師以外の全てを指す。
親も、子供が学校にいる間は、学校が呼ばない限り入ることができない。
業者などが出入りしたり、配達などができるのは子供が帰ってからのみにする。ゲストティーチャーは決められた時間に来校し、教師が出迎える。
卒業生の突然の来校も、子供が帰ってからの時間帯のみにする。
ここまで書くと、なんて閉鎖的な、と感じる人もいるだろう。
しかしこれらは、グローバルな視点に立てばごく当たり前のことである。
危険な目にあった子供たち、命を失った子供たちの命と約束して、これからの学校安全のイノベーションを進めなければならない時が来ている。