大阪教育大学附属池田小学校事件から23年の日に
今日、2024年6月8日は事件から23年目の日だ。
いつもは、できる限り旧教員として当校に赴き、「祈りと誓いの集い」に参加してきた。
今年度は非常勤先の大学で授業があり、そこで10時を迎えた。
授業(生徒指導論)では学校安全のシラバスで事件について話してきたので、学生たちと10時に黙祷した。
この事件はいくつかの教訓を遺した。
学校のセキュリティーを強化することやIDカード、安全教育の推進など。
とくにこの1年間、課題として強く浮かび上がってきているのは登下校におけるスクールガードボランティアの減少と担い手不足である。
登下校スクールガードは、2004年11月に、小1女児が下校中に連れ去られて殺害された、奈良小1女児殺害事件を契機に全国的に広がりを見せた。
黄色いベストを着たボランティアが登下校の時間に見守る姿は、連れ去り事件を大きく減少させてきた。
しかし問題は、そのボランティアの多くは定年退職後のシルバー世代であることだ。
経年はその数を減らし、それは自然の現象である。
そして、新たな担い手はその責務に躊躇し、増えていかない。
その結果、連れ去り事件、事案は減少を止め、増加傾向にある。
だからと言って、スクールガードを強制的に確保しようとすることは間違ってはいないだろうか。
これから、我が国は少子高齢化が加速していく。
守られるべき高齢者に、子どもの安全を委ねていることが、そもそも歪んだシステムであることを見つめていく必要がある。
では、どうすればこどもたちのいのちは守れるのか。
いくつかの見直しが必要である。
1. 学校と地域の協働による見守りのシステムの構築
2. ハードの強化(セキュリティー、スクールバスなど)
3. 安全教育のカリキュラム
事件から23年の日に、あらためて子どもの安全について見つめ、見直す機会にしたい。