カンボジア研修とコロナⅣ 授業体験プログラム

本稿では、カンボジア研修における考案した3つのプログラムについて紹介したい。
今回は、まず「授業体験プログラム」を紹介しよう。

「笑顔で授業」することの強い実感

これは、将来教師になることを志す学生が、カンボジアの子供たちに授業をするというかなりハードルの高いプログラムだ。
基本的にカンボジア(プノンペン)の子供たちは、母国語のクメール語か、ある程度の英語(日本の一般的な大学生よりは、はるかに流暢な)を話す。
学生たちは、研修の1ヶ月以上前から授業作りに取り組む。
メコン大学生にある程度の通訳はお願いしているが、それもどこまで通じるかわからない。
だから学生たちは、たくさん教材を作成して持っていく。
そして、日本ではけっして得られない、強烈な授業体験をする。

現地の教員に、授業の趣旨を説明する学生

たとえばこんな授業があった。
その女子学生は、「カンボジアの子供たちに大きな夢を持って生きてほしい」という願いを持って、道徳の授業を作った。
そして彼女は、その夏にフィリピンで短期留学して学んだ英語で授業に臨んだ。
精一杯の英語で授業を進めるが、子供たちの戸惑いの表情が浮かんでいる。
通じていない。
そして、横にいるサポートの現地教員が、子供たちに説明する。
その女子学生の自尊心は傷ついていた。
ぼくは見守るしかなかったが、歯痒さが顔に滲み出ていただろう。
どうやってこの難局を乗り超えるのか。
彼女の顔は、こわばっていた。
授業とは、その舞台に立ったらもう逃げられない。
子供たちを裏切ることはできない。
そして、その女子学生は気がついた。

「私が笑顔じゃないから、子供たちも笑顔になれない」

日本で、よく「笑顔で授業を」という。
学生たちはそう教えられる。

この女子学生は、笑顔で授業し、自身を取り戻した。
子供たちは笑顔になった。

彼女は、日本で教えられる中途半端な「笑顔」の必要性を超えた、「笑顔で授業」の重要さを体感した。
とてつもなく大きな体験だ。

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